
真綿とは
ABOUT MAWATA
繭玉から繊維を手作業で広げ布状にした素材です。
古くから寝具や衣料品に使用され
しっとりとした柔らかさと保温性が特徴です

真綿と絹糸(シルク)の違い
真綿とは蚕が作る繭を使って作られます。絹糸は繭を紡いで作られる生糸ですが、絹糸として紡ぐことができない玉繭、揚り繭、屑繭(出殻繭、汚染繭)から作られるのが真綿です。
玉繭とは2頭の蚕の糸が不規則に絡み合った大きくいびつな繭、揚り繭は繰り糸の段階で糸が繰れずに繰糸を中断した繭です。屑繭(出殻繭・汚染繭)とは蛹が潰れ汚れや害虫に食べられたり、蚕が繭を破って出てきてしまって、絹糸にはならない繭です。
これらの繭から作られるのが真綿です。真綿は繭を煮て引き伸ばした「綿」状のものです。中でも30㎝の四角形に引き伸ばされたものを「角真綿」と呼び、昔から布団、袢纏などの中綿に使われてきました。
このように生糸として紡ぐことができなかった玉繭、揚り繭、屑繭も真綿として再利用され大切に使われてきました。

「生成りの真綿」と「漂白した真綿」
「生成りの真綿」は玉繭、揚り繭、汚れの少ない出殻繭で作られています。無漂白で繊維がしっかりして、白色ですが、少しクリームがかった生成り色をしています。絹本来の機能性を持つ良質の手引き真綿が作れます。
「漂白した真綿」は屑繭(汚染繭・汚れた出殻繭)から作られ、汚れを落とすためにしっかりと漂白されます。色は真っ白で一見、綺麗でよく見えますが、漂白する事で繊維が細く弱くなり、キレたり、嵩無く、機能性が劣る真綿です。繊維が短く伸びが無いので袋真綿(帽子)にして作られる事が多いようです。
日本の真綿作りの現状
日本の真綿作りの現状
近年、養蚕業が減少や養蚕技術の向上により真綿に使用する玉繭、揚り繭、屑繭(出殻繭、汚染繭)出ないように管理されているため真綿の生産はぼぼ無くなった状況です。
国内では、本繭を使用して生産する為、非常に高価になってしまい、ほとんどが日本の技術が伝承された中国で生産されています。
真綿の特徴
玉繭、揚り繭、屑繭から作られる真綿は繊維の質や太さにバラつきがあったり、繊維同士が絡み合っていることから真綿独特の風合いがありふんわりとした質感があります。
天然繊維「真綿(絹糸)」の機能
FUNCTION


真綿(絹)・タンパク質繊維の特徴まとめ
- 保温性: フィブロインの分子構造には、たくさんの隙間があり、これが空気を取り込みやすくします。この微細な空気層が、熱を閉じ込める効果を発揮し、外気の寒さを遮断しつつ、体温を保つのに適しています。これにより、真綿布団は冬場でも体を効率よく温めます。
- 吸湿性と放湿性: 真綿に含まれるフィブロインは湿気を吸い取る能力が高く、汗や湿気を吸収し、その後ゆっくりと放出することで、寝ている間の蒸れを防ぎます。この自然の湿度調整機能が、快適な睡眠環境を保つのに役立ちます。
- 通気性: 真綿は非常に通気性が良いことも特徴です。微細な繊維構造により、空気がスムーズに流れ、布団内部の熱や湿気がこもることを防ぎます。そのため、夏でも蒸れにくく、通年快適に使用できる素材です。
- 抗菌性: 絹は自然由来の素材であり、フィブロインは抗菌性にも優れています。細菌の増殖を抑制する効果があり、ダニやカビが発生しにくい環境を保ちます。この特性により、衛生的な寝具としても高く評価されています。
- 耐久性: フィブロイン繊維は非常に長く(約1500m以上の長さになることもあります)、繊維の絡みが強固なため、長期間使用しても繊維が切れにくく、ホコリが出にくいです。また、自然な弾力性を持ち、布団がへたることが少なく、長く愛用できるのが特徴です。
近江の伝統工芸 手引き真綿布団
TRADITIONAL CRAFT


近江の手引き真綿とは
滋賀県の北東部(米原市、彦根市、長浜市等)で江戸時代中期から始まったと言われる真綿作り。自然が豊かで良質な水が湧き出る近江地域。養蚕業が盛んで繊維産業が発展したと言われています。
現在この近江地方で手引き真綿作りを継承し伝えている数少ない職人さからその技術を受け継ぎ、日々その技術の向上を目指して製品づくりをしています。

手引き真綿の伝承
手引き真綿の技術は、熟練の職人によって代々伝承されてきました。特に、近江地方ではその技術が守られ、真綿の品質を支え続けています。昨今は職人の高齢化により職人の数も数名となっています。
北川商店では近江地方に伝わる伝統工芸、近江真綿の「手引き真綿」技術を受け継ぎ、なにわの地で「なにわ真綿」としてその文化を途絶えさせることなく、現代の生活の中に溶け込む商品を企画開発しています。

この真綿を使用した「なにわの手引き真綿布団」『UNKAI』を開発いたしました。北川商店オリジナル。特殊4層構造でメンテナンスをしやすくすることにより、より長く手引き真綿の至福の寝心地をご体感いただけます。
個人のお客様のご購入に関するご相談・OEM、製品開発のお問い合わせは
06-6672-3034